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鋼のこころ

鋼の包丁と天然砥石のことを中心に書いていこうと思います

白巣板と卵色巣板の比較(丸尾山)

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白巣板と卵色巣板の比較(丸尾山)

丸尾山で有名な砥取屋さんの砥石。

個人的に砥取り屋さんの砥石は巣板系が好きで、中でもお気に入りは白巣板(^ ^)

今持ってるのは一つ死んだので二代目、そしてオマケに頂いたコッパだけど、こいつらには今まで随分お世話になっています。


いつか卵色巣板も購入してみたのだけど、これはどんな時に使うものなんかな。

ってことで、白巣板と卵色巣板の比較をしてみました。



使うのはこの二つ
白巣板と卵色巣板


左が卵色巣板で、右が白巣板。

卵色巣板って名前だけど、ケーキみたいなほんわかした卵色ではなく、けっこう渋い卵色です。


右の白巣板、研ぎ面はそこそこあるんだけど、実はこれオマケでもらったものです。

常連さんだからとかでなく、最初の頃に通販で買った時にオマケで入れてくださってました♪


実は裏が斜めに欠けてるのだけど、それにしてもおいしいオマケ。

でも、自分でも白巣板買ったし、ちゃーんと宣伝して広めてますよ(^ ^ゞ




前置きはここまでにして、比較画像です。

白巣板と卵色巣板の比較画像1

ちょっと分かりにくいと思うけど、わざと偏った光の反射を抑えて撮影しているため、マットな感じに写ってます。

見比べてみると、白巣板のほうがやや色が明るいのがわかりますかね。

特に地金の方とか色が濃いです。

これは卵色巣板の方が曇りやすいってことだと思います。



続いてこちら、金属顕微鏡で見た画像

白巣板
白巣板480倍

卵色巣板卵色巣板480倍


わかりやすく二枚並べてみた
白巣板と卵色巣板の比較画21

金属顕微鏡の場合、鏡面に近いほどよく光を反射します。

つまり、明るく写ってる白巣板のほうが鏡面に近い仕上がりになってるということ。


これはちょっと以外な結果だった。

っていうのも、研いだ感じの硬さは卵色巣板の方が上だったので、より目が細かいのかなと思ってた(-"-;)



研ぎ傷の幅から見るに目の細かさはどちらも同じくらいで、この二つの違いは主に硬さっぽい。

今回は試し研ぎの切り出しに対して少し砥石が硬かったのかもしれないから、鉋とかもっと硬いものを研ぐと違った結果になるかも。



とりあえずスペック化

【白巣板】
鋼の鏡面性★★★☆☆
地金の曇り★★★☆☆
下りの強さ★★★☆☆
砥石の硬さ★★★☆☆
研ぎやすさ★★★★★


【卵色巣板】
鋼の鏡面性★★☆☆☆
地金の曇り★★★★☆
下りの強さ★★★☆☆
砥石の硬さ★★★★☆
研ぎやすさ★★★★☆


【総評】

白巣板の硬さは中程度で、切り出しを研ぐには平面維持力が少し微妙かも。

あまり平面にこだわらない人には研ぎやすくて使い勝手がいいとも言える。


卵色巣板は少し硬めだが、鉋を研ぐには丁度良さそう。

今回は切り出しを研いでみたけど、刃の平面を崩さず研ぎやすいのは卵色巣板の方。


どちらも研ぎ汁はほどほどによく出るので、貼り付きを防ぐために水を少し多めにかけて研ぐと良いかも。

この二つが面白いのは、白巣板で包丁を研ぐとそんなに濃くはないが綺麗な霞を出しやすくて、卵色巣板で包丁を研ぐと霞がムラになりやすいが、切り出しを研ぐとはっきりした霞が出る。

このあたりで使い道が別れるかも。


個人的にどっちが好きかと言われれば白巣板(`^´)

まあ趣味で研ぐのは包丁が多いからかもしれないけど、天然砥石の良さを知りたかったら試してもらいたい石だね。

砥石としてバランスが良く、人造の2000番くらいから持っていける研磨力もあるので研ぎ込んでいきたい時に良い。

巣板だからほとんど目づまりしないし、適度な研磨力だから包丁の形を整えるにはもってこいの砥石。


でも卵色巣板もけっこう良いと思う。

巣板として包丁には少し硬めだけど、切り出しなんかには一番研ぎやすい部類だ。

誰かに切り出しか鉋の研ぎを頼まれたら、卵色巣板を使うかもしれない。

当たるような巣もほとんどないし、砥ぎあがりの見た目も重視するなら尚良い。



かなり限定的な話をしてしまったけど、あくまで素人が書いてることだからね。

まあ結論で言えば、天然砥石はやはり良いということかもしれない(・ω・)
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いけだ くん
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